年金のお話で【人間は時間軸が関わってくることを正確に理解する事ができない、近視眼的行動・認知バイアス】のお話を慶應大学商学部教授の権丈善一先生がされておりました。
そこで住まい探しにおいても考えてみました!
住まい探しにおける人間の行動は、近視眼的行動や認知バイアスの影響を強く受けることがあります。以下にその具体例を挙げて説明します。
1. 近視眼的行動の影響
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目先の利便性やコストに囚われる
住まい探しの際、賃貸や購入価格の初期費用が低い物件を選びがちです。しかし、長期的な維持費や住宅ローンの金利負担、将来的なリフォーム費用を考慮せずに決断すると、結果的に大きな経済的負担を抱える可能性があります。
例: 低金利の「変動金利型」の住宅ローンを選ぶが、将来の金利上昇リスクを軽視する。 -
短期的な満足を優先する
目先の「駅近」「新築」などの魅力に惹かれ、通勤以外の生活動線や周辺環境を十分に考慮しない。これにより、住み始めた後に「スーパーが遠い」「子育て環境が不十分」といった問題が発覚するケースもあります。
2. 認知バイアスの影響
住まい探しの意思決定は感情や直感が大きく影響するため、以下の認知バイアスが発生しやすいです。
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アンカリング効果
初めて見た物件の価格や間取りが基準となり、それ以降の判断に過剰な影響を与えます。結果的に、本来の予算や条件と合わない物件を選ぶこともあります。
例: 初めに見た「広いリビング」が印象に残り、他の欠点(通勤時間の長さなど)を軽視する。 -
選択肢過多のバイアス
多数の物件情報に接すると、どれを選ぶべきか判断が困難になり、最終的に「無難」な選択をしてしまう。結果、最適解ではなく「手堅いが満足度が低い」選択肢を選ぶことがある。
例: 内覧が多すぎて疲れ、最初に訪れた物件に妥協する。 -
現状維持バイアス
現状を変えるリスクを過剰に恐れ、より良い住環境が見つかっても、引越しや住宅ローン契約などの手間を避けて現状に留まる。
例: 現在住んでいる賃貸物件の更新費用が少し高いが、引越しの手間を避けるため更新を選択する。 -
確証バイアス
気に入った物件の良い面ばかりを探し、不都合な事実(隣人問題や騒音など)を軽視する。
例: 友人が「このエリアは良い」と言ったことを信じてしまい、実際の住みやすさを十分に調査しない。
住まい探しの改善策
近視眼的行動や認知バイアスを抑えるためには、以下のような対策が有効です:
- 長期的な視点を持つ
購入後の維持費、通勤以外の生活導線、将来的な家族構成を考慮して選択する。 - 第三者の意見を取り入れる
不動産エージェントやファイナンシャルプランナーに相談し、客観的な視点でアドバイスをもらう。 - 冷却期間を設ける
内覧後すぐに決断せず、一晩考える時間を設けることで感情的な判断を抑える。 - 情報を整理する
検討物件の条件をリスト化し、客観的に比較できる資料を作成する。
こうした行動改善により、より満足度の高い住まい選びが可能になるでしょう。